「求人広告を出しても応募が来ない」「来ても、すぐ辞めてしまう」。中小企業の採用担当者や経営者から、こうした相談を受けることが増えました。原因の多くは、求人票に書ける情報(給与・休日・勤務地)だけでは、会社を選ぶ決め手にならないことにあります。求職者が本当に知りたいのは「どんな人と、どんな空気の中で働くのか」です。そこで有効なのが、TikTokやInstagramといったショート動画中心のSNSです。この記事では、SNSを採用に使うべき理由と、明日から始めるための具体的な手順を、実際の運用経験をもとに解説します。
採用にSNSを使うべき3つの理由
1. 求人票では伝わらない「人」と「空気」を見せられる
求人票は条件を比べるための資料です。条件で大手と勝負すると、中小企業はどうしても不利になります。一方、SNSの動画なら、先輩社員の話し方、職場の雰囲気、社長の考え方といった「条件以外の魅力」を15〜60秒で伝えられます。求職者は応募前に「この人たちと働けそうか」を判断できるため、入社後のギャップも小さくなります。
2. 求人を探していない層にも届く
求人サイトに来るのは、すでに転職・就職活動をしている人だけです。TikTokやInstagramは、おすすめ表示(レコメンド)によって、まだ仕事を探していない人の画面にも動画が流れます。「今すぐではないけれど、いい会社があれば」という潜在層と早めに接点を持てるのは、SNSならではの強みです。
3. 発信が会社の資産として積み上がる
求人広告は掲載期間が終われば何も残りません。SNSのアカウントは、フォロワーや過去の投稿が残り続け、採用ページへの入口として機能し続けます。Buzzryが運用を支援した不動産会社様では、社長自身が出演するTikTokでフォロワーが1.2万人に育ち、採用ページへの流入が毎月フォロワー数の5〜10%ほど続いています。発信を続けるほど、採用の土台が厚くなっていくイメージです。
求人広告とSNS、役割の違い
SNSを始めるからといって、求人広告をやめる必要はありません。両者は役割が違います。求人広告は「今まさに仕事を探している人」に条件を見せて応募を受け付ける場所、SNSは「まだ探していない人」に会社を知ってもらい、好きになってもらう場所です。SNSで会社を知った人が、求人サイトや採用ページで条件を確認して応募する、という流れは珍しくありません。面接で「どこで当社を知りましたか」と必ず聞き、SNSの影響を記録しておくと、効果が見えやすくなります。
TikTokとInstagram、どちらを選ぶべきか
結論から言うと、どちらか一方に絞る必要はありません。同じ縦型動画をTikTokとInstagramのリールの両方に投稿すれば、制作の手間はほぼ変わらずに接点を倍にできます。そのうえで、軸足をどちらに置くかは次の表を目安に決めてください。
| 比較項目 | TikTok | |
|---|---|---|
| 得意なこと | フォロワーが少なくても、おすすめ表示で新しい人に届きやすい | プロフィール・ハイライト・ストーリーズで会社の情報を整理して見せられる |
| 向いている採用 | 新卒・20代の若手、アルバイト・パート | 新卒〜中途まで幅広く。地域密着の職種や専門職 |
| 伸びやすい内容 | テンポのよい社員の日常、職場のあるある、社長の本音 | 職場の雰囲気が伝わるリール、社員紹介、福利厚生の解説投稿 |
| 応募への導線 | プロフィールのリンク、コメントやDMへの返信 | プロフィールのリンク、ハイライトの「募集要項」、DM |
たとえば若手を大量に採用したい会社ならTikTokを主軸に、店舗やブランドの認知も同時に上げたい会社ならInstagramを主軸に、という考え方です。
採用SNSの始め方|5つのステップ
ステップ1:目的と採用ターゲットを決める
最初に「誰を、何人、いつまでに採用したいか」を言葉にします。「20代の施工管理を年内に2名」のように具体的にするほど、発信内容がぶれません。あわせて、その人が仕事選びで気にしていること(人間関係、成長できるか、休みの取りやすさなど)を書き出しておくと、企画の材料になります。
ステップ2:社内の体制をつくる
SNS採用が止まる一番の理由は「担当者が忙しくて続かない」ことです。最低限、次の役割を決めておきましょう。
- 責任者:方針を決め、出演や撮影に社内の協力を取り付ける人(社長や役員が理想)
- 出演者:動画に出る社員。1人に頼らず、複数人で回せると安定します
- 制作担当:企画・撮影・編集・投稿を進める人(社内か外部か)
- 返信担当:コメントやDMに当日中に返す人
ステップ3:アカウントを整える
投稿を始める前に、プロフィールを「初めて見た求職者が3秒で分かる」状態にします。会社名と事業内容、どんな職種を募集しているか、採用ページへのリンクを入れてください。Instagramなら、ハイライトに「募集要項」「社員紹介」「よくある質問」をまとめておくと、興味を持った人がそのまま応募まで進めます。
ステップ4:月6〜10本を目安に継続投稿する
投稿頻度は、週1〜2本以上を目安にすると、見られ方の傾向が掴みやすくなります。大切なのは本数よりも「止めないこと」です。1回の撮影日で複数本をまとめて撮り、投稿日を分散させると、現場の負担を抑えられます。どんな企画を作ればよいかは、応募が来る採用アカウントの企画づくりで詳しく解説しています。
ステップ5:数字を見て、企画を直す
月に1回、次の数字を振り返ります。最初の3ヶ月は応募数そのものよりも、「どの企画が最後まで見られたか」「どの投稿からプロフィールに来たか」に注目してください。応募は、見られ方が安定してから後を追って増えてきます。
| 見る数字 | 分かること | 改善の例 |
|---|---|---|
| 再生数・リーチ | どれだけ新しい人に届いたか | 冒頭2秒のつかみを変える |
| 視聴維持率 | 最後まで見られる内容か | 説明を削り、テンポを上げる |
| プロフィールアクセス | 会社に興味を持たれたか | 動画の最後でプロフィールに誘導する |
| リンクのクリック・DM | 応募の一歩手前まで来たか | 採用ページの情報を充実させる |
| 応募数・面接数 | 最終的な成果 | 面接での「SNSを見て」の声を記録する |
始める前のチェックリスト
- 採用したい人物像(年齢層・職種・人数・時期)を言葉にしたか
- 社長または役員が出演・発信に協力してくれるか
- 出演してくれる社員が2人以上いるか、本人の同意を取ったか
- 撮影してよい場所・映してはいけないもの(顧客情報や図面など)を決めたか
- コメントやDMに誰がいつ返すか決めたか
- プロフィールから採用ページ・応募フォームに迷わず進めるか
- 最低3ヶ月は続ける前提で、予算と時間を確保したか
よくある失敗と対策
よくある失敗は、会社紹介のような「きれいすぎる動画」から始めてしまうことです。整った映像は安心感を与えますが、SNSでは広告のように見えて流されがちです。まずは社員が自分の言葉で話す、職場のちょっとした日常を見せるといった、等身大の内容から始めるほうが反応を得やすくなります。もう1つは、数本投稿して反応が薄いからとやめてしまうことです。アカウントの方向性が伝わるまでには一定の本数が必要です。最初から3ヶ月単位で計画を立てておきましょう。
もちろん、うまく続けた先には大きな成果もあります。Buzzryが支援したテーマパーク・ホテル運営会社様では、SNS経由で応募600名、面接400名、内定27名(新卒16名・中途11名)につながりました。業種や採用人数によって成果の出方は異なりますが、「人を見せる発信」を続けることが共通点です。
Buzzryのサポート
Buzzryでは、採用に強いTikTok・Instagram運用代行「バズ丸くん」を提供しています。市場調査から企画・台本・撮影・編集・投稿・コメント対応・分析までを一括で担当し、月6・8・10本の投稿プランから選べます。社内に担当者を置く余裕がない会社でも始めやすい形です。詳しくはSNS運用代行のページや実績紹介をご覧いただき、気になる点はお問い合わせからお気軽にご相談ください。


